2024年7月17日

タイのホワイトカラー人材紹介市場の動向 (2024年4月~6月)

世界11ヵ国で人材紹介事業を展開するJAC Recruitmentは、JACグループ各社の拠点を展開しているシンガポールでの、2024年4月~6月のホワイトカラー人材紹介の市場動向をまとめました。

タイのホワイトカラー人材紹介市場の動向 (2024年4月~6月)

タイ:日系自動車メーカー2社生産中止を決定。ローン審査厳格化が消費活動にブレーキ

求人数前年同期比:71%
求人数前期比(過去3年):

2021年2022年2023年2024年
7~9月10~12月1~3月4~6月7~9月10~12月1~3月4~6月7~9月10~12月1~3月4~6月
93%90%154%80%143%57%205%82%97%79%108%86%

 

<国内情勢>

2024年1~3月期のタイのGDPは1.5%増となり、前期成長率1.7%から減速しました。

ASEAN自動車連盟(AAF)のまとめによると、1~4月の自動車販売台数は、生産台数ともに前年同月比マイナス2桁以上となっており、4月時点で9ヵ月連続の前年割れを記録しました。こうした動向を受けて、スバル、スズキがそれぞれタイでの生産中止を発表しました。今後は日本や他の海外拠点からの輸入販売に転換する方針とのことです。

<企業の採用動向>

4月のソンクラン連休、5月の大型連休に伴い、例年同様、この時期の採用の動きは緩やかになりました。個人債務上昇に伴って、ローン審査が厳格化されたことも影響して、車や家電などのタイ国内での販売量にもマイナス影響が出ています。このような状況下で、増員目的の採用は一時的に停止している企業も一部ありますが、駐在員からの切り替え目的で豊富な経験や高いスキルを持ち合わせた人材をハイクラスポジション(MD/GM/製造現場の責任者等)で採用するニーズは現状も強くあり、引き続き、この募集ニーズは継続すると見込んでいます。

なお、タイへの新規設立を計画する企業は引き続きあり、それに伴う採用の依頼も継続するとみられます。

<求職者の動向>

求職者の登録状況は、昨年同期比とほぼ同様の数値となっています。就労ビザの取得も他の東南アジアの国に比べて容易であること、また物価上昇に伴う賃金の上昇、昨今の円安の影響もあり、タイへの転職に関心を持つ求職者も増えています。

なお即戦力を求める傾向には変わりがないため、業界・職種経験を活かした転職を叶える方が依然として多く、未経験者応募可能の求人は少なくなっています。

Gavin Henshaw

JAC Recruitment タイ法人 社長
Gavin Henshaw

■JAC Recruitment タイ 概要
https://www.jacgroup.com/jp/locations/country/thailand

■JAC Recruitment タイ 転職サイト
https://www.jac-recruitment.co.th/ja

【ジェイ エイ シー リクルートメント アジア各社の求人数増減一覧】

 前期(2024年1~3月)比前年同期比
シンガポール85%79%
マレーシア88%100%
タイ86%71%
インドネシア85%77%
ベトナム92%75%
韓国104%81%
インド157%138%
日本(※)99%91%

※日本企業の海外事業関連求人
注)アジア各社の求人数については、アジア各社が意図的に講じた戦略(高額帯年収の求人やスペシャリスト層求人に特化するなど)により、増減する場合もあります。そのため、アジア各社の求人数の増減は、各社の業績を直接反映するものではありません。