2024年7月17日
韓国のホワイトカラー人材紹介市場の動向 (2024年4月~6月)
世界11ヵ国で人材紹介事業を展開するJAC Recruitmentは、JACグループ各社の拠点を展開しているシンガポールでの、2024年4月~6月のホワイトカラー人材紹介の市場動向をまとめました。
韓国:2024年経済成長率展望上方修正。生成AI +半導体への投資が加速
求人数前年同期比:81%
求人数前期比(過去3年):
2021年 | 2022年 | 2023年 | 2024年 | ||||||||
7~9月 | 10~12月 | 1~3月 | 4~6月 | 7~9月 | 10~12月 | 1~3月 | 4~6月 | 7~9月 | 10~12月 | 1~3月 | 4~6月 |
88% | 117% | 90% | 96% | 84% | 125% | 104% | 73% | 169% | 60% | 76% | 104% |
<国内情勢>
4~6月期は、SKハイニックスが生成AIブームの影響を受け、業績を上方修正。2028年までに主にHBM(High Bandwidth Memory、広帯域メモリー)の領域に12兆円を投資するなど好調です。サムソンはパウンドリー工程ロードマップを公開し、GAA技術の工場運用を目指しています。ただ全体の景況感から言えば、韓国の雇用市場は非常に厳しい状況。雇用労働省の雇用保険常時加入者を見ると、40代と 29 歳以下の若年層は毎月、前年同月を下回っています。今年に入ってから4月までに未払い賃金の規模は前年同期に比べて約4割も増加。急速な少子化や、急上昇した最低賃金の負担を企業が負いきれていないケースが多いため、政府も少子化対策などを包括した人口戦略企画省を新設するなどして対応しています。
<企業の採用動向>
4~6月期は生成AI関連、特にHBM関連の企業からのエンジニア需要が急増しました。ただ同業他社も同様に好調なため、先行投資フェーズの増員ニーズも変わらず増えています。また、日系企業からの求人は日本語スピーカーを求める声が多い状況ですが、依然として若手人材が少ないため、採用が難しくなっているのも変わりません。自動車関連業界、二次電池関連業界よりも、半導体業界、生成AI周辺の企業は今後数年は好調と予想されており、採用拡大計画という話も聞かれます。
<求職者の動向>
自動車業界より、半導体業界が目立った4~6月期でした。特に半導体業界経験者の営業職人材の採用ニーズが増えており、取り合いになっているため、条件を求めて動く候補者も増加しています。日系企業は採用市場を意識して、条件を上げてきている企業と、そうでない企業との差が大きくなってきています。一方で、若手はクオリティオブライフを重要視する傾向も強く、あまり営業のポジションに積極的ではありません。
JAC Recruitment 韓国法人 社長
加藤 将司
■JAC Recruitment 韓国 概要
https://www.jacgroup.com/jp/locations/country/korea
■JAC Recruitment 韓国 転職サイト
https://www.jac-recruitment.kr/ja