2024年10月22日

インドのホワイトカラー人材紹介市場の動向 (2024年7月~9月)

インドのホワイトカラー人材紹介市場の動向 (2024年7月~9月)

インド:採用活動は活発化するものの、長期化傾向に

求人数前年同期比:129%
求人数前期比(過去3年):

2021年2022年2023年2024年
10~12月1~3月4~6月7~9月10~12月1~3月4~6月7~9月10~12月1~3月4~6月7~9月
114%71%121%111%107%139%109%101%79%110%157%95%

 

<国内情勢>

インド政府の発表によると実質のGDPの伸び率は、2023年の1~3月期と比べて7.8%のプラス成長となり、引き続き高い経済の成長率を示しています。6月にはインド総選挙にて与党連合の勝利を受け、モディ首相の3期目が始動することとなりますが、今回の総選挙では単独過半数の議席を割り込んでおり、今後の政権の舵取りに苦戦を強いられる可能性があります。また、これまで高い経済成長率を維持してきましたが、若い世代の失業率や高いインフレ率などといった懸念材料が解決されずにあります。

<企業の採用動向>

引き続きインドの経済成長率は着実に8%に近づいて推移するとみられています。特に製造業や建設業が引き続き高い成長率を示しており、その動きに伴い営業職を中心に製造部門および管理部門の強化など、今後の成長を見込んだ積極採用を実施する企業が増加しています。

一方で、転職市場が活況で転職の可能性が高まることから、より高い年収を得ようとする社員の退職やマネージャークラスの退職により、採用活動を実施せざるを得ない企業も多く存在します。

業務が増加傾向にあるため増員する必要がある中で退職者が続出するといった企業もあり、事業に影響をきたすような企業も散見されます。

<求職者の動向>

ローカルの採用マーケットは引き続き求人の増加傾向から求職者は活発に転職マーケットに出てきています。転職する際に現年収より20~30%近くの年収アップが見込めるため、常に転職マーケットを見つつ、より条件の高いポジションに転職をしようとする求職者が一定数存在します。

日本人の求職者動向については、引き続き他国も視野に入れた求職者が多く、他国の企業とインド国内の企業が採用でバッティングすることも多いため、複数の内定を同時に獲得する求職者もいます。

選考プロセスにおいては、企業が提供できる仕事内容やキャリアパスを明確にすることで優秀な人材を確保できる傾向にあることから、エージェントとの密なコミュケーションがより重要となっています。

小牧 一雄

JAC Recruitment インド法人 社長
小牧 一雄

■JAC Recruitment インド 概要
https://www.jacgroup.com/jp/locations/country/india

■JAC Recruitment インド 転職サイト
https://www.jac-recruitment.in/ja

【ジェイ エイ シー リクルートメント アジア各社の求人数増減一覧】

 前期(2024年4~6月)比前年同期比
シンガポール72%60%
マレーシア94%85%
タイ107%78%
インドネシア107%130%
ベトナム89%64%
韓国85%41%
インド95%129%
日本(※)92%94%

※日本企業の海外事業関連求人
注)アジア各社の求人数については、アジア各社が意図的に講じた戦略(高額帯年収の求人やスペシャリスト層求人に特化するなど)により、増減する場合もあります。そのため、アジア各社の求人数の増減は、各社の業績を直接反映するものではありません。