2024年7月17日

インドのホワイトカラー人材紹介市場の動向 (2024年4月~6月)

世界11ヵ国で人材紹介事業を展開するJAC Recruitmentは、JACグループ各社の拠点を展開しているシンガポールでの、2024年4月~6月のホワイトカラー人材紹介の市場動向をまとめました。

インドのホワイトカラー人材紹介市場の動向 (2024年4月~6月)

インド:売り手市場により採用活動が長期化傾向に

求人数前年同期比:138%
求人数前期比(過去3年):

2021年2022年2023年2024年
7~9月10~12月1~3月4~6月7~9月10~12月1~3月4~6月7~9月10~12月1~3月4~6月
214%114%71%121%111%107%139%109%101%79%110%157%

 

<国内情勢>

2024年4月は5年に1度となるインド総選挙が実施され、14億人の国民が参加することから祭典とも言われました。総選挙の閣下は与党・インド人民党(BJP)を中心とする与党連合が過半数を維持し、モディ首相が3期連続で当選したことにより再び政権を握ることが確実となりました。経済は上向いているものの、引き続き「Make in India」を進め、雇用の創出が今後の大きなテーマとなっています。

<企業の採用動向>

モディ首相が当選したこともあり、インドの経済成長率は着実に8%に近づいて推移すると見られています。引き続き、直接投資が増え、経済も右肩上がりが予測されていることから、製造業を中心に増員傾向にあります。特に新規進出企業の増加、また工場の拡張による製造ラインの増設や組織強化のための増員採用が目立ちます。

一方で、毎年多くの企業が頭を抱える昇給のタイミングを終え、より高い年収を得ようとする社員の退職により、採用活動を実施せざるを得ない企業も多く、増員している中でさらに退職者が続出し、事業に影響をきたすような企業も散見されました。

<求職者の動向>

ローカルの採用マーケットは4月以降の評価期間に求職活動をする候補者が活発化します。自社の昇給率と転職先の昇給率を比較検討しながら少しでも良い条件で転職しようとするこの時期は、企業にとって非常に頭の痛い時期になります。

日本人の求職者については前年よりも海外就業を検討する数が増えていますが、インドのみに絞るということではなく、他の国も検討しながら、給与などの条件と海外就業を通して得られる経験をしっかりと考慮しながら、時間をかけてでも納得いく就職先を見つけるといった傾向にあります。

小牧 一雄

JAC Recruitment インド法人 社長
小牧 一雄

■JAC Recruitment インド 概要
https://www.jacgroup.com/jp/locations/country/india

■JAC Recruitment インド 転職サイト
https://www.jac-recruitment.in/ja

【ジェイ エイ シー リクルートメント アジア各社の求人数増減一覧】

 前期(2024年1~3月)比前年同期比
シンガポール85%79%
マレーシア88%100%
タイ86%71%
インドネシア85%77%
ベトナム92%75%
韓国104%81%
インド157%138%
日本(※)99%91%

※日本企業の海外事業関連求人
注)アジア各社の求人数については、アジア各社が意図的に講じた戦略(高額帯年収の求人やスペシャリスト層求人に特化するなど)により、増減する場合もあります。そのため、アジア各社の求人数の増減は、各社の業績を直接反映するものではありません。