福岡エリアの採用市場動向

福岡エリアの採用市場動向

福岡エリア全体の最新動向

福岡エリアの発展をけん引する産業は「IT」「半導体」。半導体に関しては、長崎や熊本など九州の幅広いエリアに企業、工場が進出しています。就業者数・GDPともに拡大しており、採用ニーズの増加に期待が寄せられます。

また福岡エリアの特徴として、地理的にアジア圏に近いことが挙げられます。そのため、IT系・非IT系にかかわらず中国や東南アジアなど海外と関わるビジネスを展開する企業が比較的多くあります。日本だけをマーケットと捉えずに海外にも向けたプロダクトやサービスに携わりたい人にとって、福岡はキャリアアップのためのフィールドが見つかる絶好の場所といえるでしょう。

IT企業・外資系企業からの新たな人材ニーズ

九州最大の繁華街である、福岡・天神では「天神ビッグバン」と呼ばれる大規模再開発プロジェクトが進められています。

老朽化したビルを刷新し、有力なIT企業・外資系企業などが集まり、新たな採用ニーズがうまれています。エリアの活性化にともない、もともと強かった「食」の業界も再び活性化するなど、さまざまな相乗効果が期待されています。

スタートアップに向いている土壌

福岡エリアには、成長力がある企業、社会に新たな価値を提供する企業、志を持った経営者の方々が多く存在します。

自治体が福岡での起業を支援する各種制度やインキュベーション施設があり、地元系のベンチャーキャピタルがあったりと、スタートアップを生むエコシステムが形成されています。

福岡市・北九州市は国家戦略特区に指定されており、「グローバル創業・雇用創出特区」として起業支援と雇用創出に力を入れています。福岡市にはスタートアップビザ制度もあり、グローバルな環境で働けるチャンスもあります。

福岡エリア全体の採用動向

福岡エリア全体として求人は非常に増えている状況です。その中でも特に、半導体、食品メーカー、IT・Webの3つの業界が活況で、採用意欲が高まっています。福岡・北九州に本社を置く企業は、老舗企業から、ECを中心に成長してきた企業、それからここ数年の間に起業したSaaSを展開するスタートアップまで幅広く存在します。

幅広い業種・規模の企業で、DX推進人材を求める

近年、DX(デジタルトランスフォーメーション)に取り組む企業が増えていますが、福岡エリアでも同様の動きが出てきています。

ただし、デジタルの活用によって新たなビジネスモデルを創出するといった段階ではなく、既存のビジネスモデルにデジタルを導入して新たな価値を付加する「デジタライゼーション」の取り組みが中心となっています。そこで、このプロジェクトを先頭に立って推進できる人材が求められています。

具体的には、ITシステム導入のプロジェクトリーダー・プロジェクトマネジャー経験者。事業会社のシステム部門で経験を積んだ方をはじめ、SIerやソフトハウス出身の方も採用対象となります。

首都圏の採用市場とは異なり、40代後半~50代の方でも、直近まで現場に立っていた方、プロジェクトマネジメント経験が豊富な方であれば、採用される傾向にあります。

 

福岡エリアのIT・Web業界の採用動向

2015年前後から求人数は右肩上がりでしたが、近年は大手Webプラットフォーマーが、採用競争が激化した首都圏や近畿圏を敬遠して福岡エリアの中途採用市場に着目し始めたこと、老舗のIT企業、理系・情報系の大学が多く優秀なエンジニアが多く福岡で働いているというなどから、採用ニーズが高まっています。

福岡エリアにおけるIT・Web業界の求人は、主なものとして福岡を本拠地とするSaaS系企業における開発エンジニアの求人と、事業会社の社内SEの求人の割合が大きくなっています。加えて、ここ1〜2年は、大手Webプラットフォーマーやコンサルティングファーム系のWebエンジニアの求人が目立つようになりました。

地場のSaaS企業から大手Webプラットフォーマーまで、30代半ば以上のエンジニアの場合は、開発者として手を動かすというよりもプロジェクトのマネジメント能力をもった方が採用される傾向にあります。

地場系SaaS企業の採用動向

福岡発のSaaS企業には、地元で長い歴史のある鉄鋼業・建設業に向けたプロダクトを開発する企業や、AI・機械学習、量子コンピューティングなど先端的な技術をクラウドで提供する企業など、特色ある企業が増えています。

採用の傾向としては、大手からベンチャーまで、また新旧を問わず、30代から40代半ばくらいまでを採用ターゲットとしたWebエンジニア、またはSEのスタッフクラスのポジションがボリュームゾーンを占めています。ただ、ベンチャーに関してはCTOやVPoEといったマネジメントクラスの求人も見受けられます。

近年、働き方を見直す気運が高まり、Uターン・Iターン・Jターン転職を考える転職希望者の方が増えていおり、地場系のSaaS企業を志望する方が増えています。

事業会社の採用動向

地場の事業会社では社内SEの採用が中心です。売り上げ300億くらいまでの中堅規模の会社、もしくはベンチャー企業で、業界問わず社内SEの採用ニーズがあります。

中堅企業の場合、20年近く前に構築した基幹システムを使い続けているケースが多く、DXに伴うデジタル活用の必要性から、システムの統合やリプレースを考える時期にきています。そのため、そうしたプロジェクトをマネジメントできるPM/PL経験者が求められています。

ベンチャー企業での採用動向

ベンチャー企業では、IPO(新規上場)を視野に入れたガバナンス強化、セキュリティ強化のために社内SEを採用しようとする動きが出てきています。この場合、Uターン・Iターン・Jターンで、首都圏の大手Webプラットフォーマー経験者や上場(準備)経験者が採用される傾向にあります。

大手Webプラットフォーマー/コンサルティングファームの採用動向

福岡に拠点を設けている大手プラットフォーマーの採用ニーズとしては、20代〜30代前半くらいまでのWebエンジニアが中心です。

また、ここ数年で大手コンサルティングファームが福岡に研究開発施設やデジタルハブを立ち上げる動きが相次いでおり、そこでは40代後半〜50代の経験豊富なエンジニアをターゲットとする求人が出ています。

企業の数は限られていますが、1社当たりの求人数が多いため、福岡エリアのIT・Web業界の採用トレンドを形成しているといえるでしょう。

福岡エリアのエグゼクティブの採用動向

ここ数年、福岡エリアにおける企業の経営陣や管理部門における経験者採用においては、地元福岡や九州のみならず、首都圏をはじめ大都市圏で実績を積んできた経験者を迎え入れる傾向にあります。40代~50代の方々で、かつビジネス経験を十分に積んだ方が、全くの新天地となる福岡の企業に、エグゼクティブとして採用されています。

経験豊富でもっと挑戦したいといった40代~50代の方々は、UターンやIターン、またはJターンといった形ではなく、「自身の経験・スキルをいかしたい」「理念・ビジョンに共感できる企業で働きたい」という志向を持ち、結果として、移住あるいは単身赴任といった形で採用されています。

IPOを目指す企業が、CFOはじめ管理部門人材を求める

福岡エリアでは、IT・Web・SaaSなどのベンチャー企業が伸びており、IPOを視野に入れて体制整備を図っています。そのIPO準備のため、CFOをはじめ管理部門の整備を担える人材が求められています。 地元では該当する人材が見つけられなかった際には、首都圏をはじめ大都市圏にいらっしゃる方々が採用の対象となります。

事業承継に際し、次世代経営メンバーを求める

経営者が高齢化し、事業承継時期を迎えた企業からは、新社長を支える経営メンバーの採用ニーズが出てきています。

60代後半~70代の経営者が経営を引き継ぐケースなどでは、若い新社長の経営経験がまだ浅いことも多く、「番頭」的なポジションで支えてくれる人材を採用したいと考えています。

新社長は、外部企業で経験を積んでいるケースもあれば、自社のみしか経験していないケースもあります。特に後者のケースでは、他社の手法や文化を知らない分、広い視野を持ったベテランのサポートに期待を寄せています。ファイナンスをはじめとする管理部門全般の知識とマネジメント経験を持ち、組織を動かしていける方が重宝されます。50代以上の方も採用の対象となります。

なお、経営者の高齢化にともない、事業承継の課題を抱える企業は増えています。地場のM&A支援会社が事業拡大を図るほか、首都圏のM&A支援会社が福岡に拠点を設ける動きもあり、「M&Aコンサルタント」の採用ニーズもあります。

金融機関でのM&A関連経験者だけでなく、年齢が若い方であれば金融機関での法人営業として企業評価・融資を手がけてきた方も採用されています。

マネジメント経験だけでなく、プレイングマネージャーとしての経験

エグゼクティブとして、マネジメント経験があることも大切ですが、いわゆる「管理」だけを行うのではなく、実際に手を動かして実務をもこなすプレイングマネージャーとしてのスキルや実績があることです。大手企業で「管理」のみを行ってきた方、「管理しかやりたくない」というスタンスの方は入社しても苦労することが多いことから、採用されにくい傾向にあるようです。

専門性を併せ持つゼネラリスト

近年の採用トレンドは専門的な担当業務が明確にされている求人ですが、地方企業のエグゼクティブポジションについては、むしろゼネラリストとしての動きが期待されています。

専門分野の知識や実績がは非常に重要ですが、それを前提に、周辺の幅広い業務に対応して価値を発揮するというマインドを持った人が採用される傾向にあります。

東京や大阪の求人で「このポジションなら、当然このレベルの専門知識が必要」とされるところ、地方企業であれば、上記のようなマインドがあれば、カバーできると見越して採用されるいうケースも多々あります。エグゼクティブであるからには、やはり受け身の姿勢ではなく、主体的な働きによって会社の成長に貢献したいといったマインドが求められています。

 

福岡エリアの半導体業界の採用動向

もともと福岡エリアを中心に九州では多く求人がありましたが、近年の半導体不足の影響から新たな製造拠点の立ち上げのための求人が出てきています。

 

福岡エリアの食品メーカーの採用動向

健康意識の高まりや、“巣ごもり消費”による増加の影響が大きくなっています。実店舗や通信販売からインターネットを通じた販売形態にシフトする中で、デジタルマーケティング人材を中心とした採用ニーズが新たにうまれています。


福岡エリアでの人材採用にお悩みの際はご相談ください。