建設・不動産業界の採用市場動向

【2024年】建設・不動産業界の採用市場動向

建設・不動産デベロッパーの業界トレンド

主要都市の開発推進

建設・不動産デベロッパーによる開発は停滞する事なく着実に推移しています。ただし、開発の内容には一定の変化感があり、DXやSDGsなどの切り口での時代にあったニーズに応じて開発を行なっているのが特徴です。最近では東京以外の主要都市の開発も目立ち、住宅開発も盛んにおこなわれています。

DX推進

近年、あらゆる業界においてDX化が叫ばれていますが、建築・不動産デベロッパーにおいてもDXの推進は顕著な動きを見せています。

建築・不動産デベロッパーにおけるDXは大きく分けて2つあり、1つは都市開発や街づくりをするためのDX。2つ目がデベロッパーの所有しているデータや土地建物などのリソースをもとに、DXを掛け合わせることでマネタイズを強化するDXです。

建設・不動産業界とSDGs

SDGsについて簡単に要約すると、「世界中の誰一人も取り残さず、人間らしく暮らし続けられる世界にするために達成する目標」のことです。このなかで、「暮らし続けられる」という部分が「持続可能」を表しています。近年、業界問わず、多くの企業でSDGsへの関心が高まっており、これらの活動に積極的に取り組んでいる企業が支持される社会に変わりつつあります。

SDGsにおける17の目標のなかで、建設業や不動産業との関わりが深いのが「11:住み続けられるまちづくりを」と「12:つくる責任つかう責任」の2つです。

建設業や不動産業はものづくり産業としての面と、人々の暮らしを支える総合生活産業の面を併せ持っています。それと同時に、建築行為によって地域の自然環境に影響を及ぼしたり、環境負荷を発生させているという側面もあります。このため、建設業や不動産業は「住み続けられるまちづくり」を意識しながらも、環境負荷を抑制した持続可能な社会の構築が求められています。

建設・不動産デベロッパーの採用動向

総合デベロッパーでの採用動向

大手総合デベロッパーの中途採用は通常、募集枠は数名単位でした。ところが現在、各社は事業拡大フェーズに入っており、採用が活発化しています。

近年、総合デベロッパーが力を入れている「スマートシティ」のプロジェクトにおいても、IT・通信・エネルギー・運輸など多様な業種が連携します。そのため、専門性や立場が異なる人々をとりまとめ、大型プロジェクトをリードできる人が求められており、異業種であってもリーダーやマネージャー経験者であれば採用しようという動きがあります。

PM(プロパティマネジメント)の採用ニーズ

都市部の再開発、大型複合施設などの案件は、ここ数年、一旦停滞していたものが再開されています。着工フェーズの案件も多数あり、2025年~2030年頃にかけてSクラス級の施設の開業が予定され、これに伴い、再開発、運営管理を担うPMなどの人材ニーズが高まっています。

また外資系ホテルの誘致、ホテルの運営管理を行うPM(プロパティマネジメント)も、採用ニーズが高まっているポジションです。

リーシング営業の採用ニーズ

近年、テレワークの拡大でオフィスの解約・縮小も多発したことから、テナントとの関係再構築やテナント誘致のための価値訴求も重要になり、リーシング営業の採用も強化されています。

再開発の採用ニーズ

都市開発は、東京都内の再開発のほか、首都圏の郊外エリア、地方主要都市の新規開発なども動いています。大阪・名古屋などでの開発が進むほか、仙台・福岡などでの開発に乗り出す企業も増加。そのため、勤務地の選択肢も以前より広がってきました。

かつては「全国転勤ありの総合職」の採用が主流でしたが、近年は他業界にならって柔軟な働き方を選択できる制度も取り入れられています。実際、エリア限定のプロジェクトにおける、エリア限定の採用実績が例年に比べて増加しており、勤務地を固定して働く求人は、今後増えていくとみられます。

DXスキルを持った人材採用動向

昨今デベロッパーにおいて、DXのスキルを持った人材を採用する動きが各社見られます。具体的には、DXのプロジェクト立ち上げ、企画立案の経験がある方、プロジェクトマネージャーの経験がある方を採用したいと考えているようです。また、DXを社内で推進していくために、アプリエンジニア、フロントエンジニアなどさまざまなエンジニアも採用ニーズがあります。

海外勤務経験者の採用動向

海外での不動産開発に関して、今後、アジア、北米を中心に盛り上がってくるとみられています。また、水面下では各社とも海外事業部担当の採用をスタートしています。海外勤務経験者は、各社人員不足のため、経験さえあればチャンスがあるといえます。特に海外でのプロジェクト経験(マネジメントや、その地域でのローカルのコントロール経験)のある方は、優遇される可能性が高くなっています。

SDGsの取り組みにより増えた採用動向

総合職採用が増加

「住み続けられるまちづくりを」を目指して多様なプロジェクトを推進するにあたり、総合職の採用が行われています。

総合職として採用された方のアサイン先は、「新規事業立ち上げ・推進」であるケースが多数となっています。前職の業界は問わず、プロジェクトの企画・推進を手がけてきた方を採用しています。

女性活躍推進が加速

SDGs5番目の目標「ジェンダー平等を実現しよう」にかかわる施策も強化されています。

建設・不動産業界はもともと男性が多い業界であり、女性の管理職・幹部候補が育っていないことが課題となっています。大手企業では、女性幹部候補の採用にも注力しており、業界問わずプロジェクトを企画・推進してきた経験者の採用ニーズがあります。

具体的には、大手総合デベロッパーが飲料や自動車などのメーカー、コンサルティングファームなどの異業界出身の方を採用したという事例があります。


建築・不動産業界での人材採用にお悩みの際はご相談ください。